年賀状は1月1日に届くべきなのか?

年賀状は元日(1月1日)に届かないと失礼だ、と思っている方も多いかもしれません。ですが年賀状の起源を知ると、必ずしもそうではないと分かります。

本来、年始の挨拶とは、相手の家を一軒ずつまわって直接会い、するものでした。しかし、それでは大変なので、略式の場合は郵便で挨拶状を送るようになりました。これが年賀状の始まりです。

最初の頃、年賀状はお正月になってから書いて、ポストに投函していました。ですから当然、相手に届くのは1月2日以降です。当時の郵便事情を考えると、もっと日数がかかっていた可能性もあります。

その後、12月の早めに年賀状を差し出しても、翌年の1月1日ぴったりに配達してくれるサービスを郵便局が始めました。これにより、「年賀状は元日に届くもの」という慣習が生まれます。比較的新しい「常識」で、伝統文化と呼ぶほど古くも格式もありません。

ですから、1月1日に間に合わなくても、年賀状を出して良いのです。大事なのは気持ちがこもっていることですから。そもそも、一番正式な直接会っての年始挨拶では、2日以降に訪問するのが礼儀です。

キタジで販売している年賀状もそうですが、大抵は「○○年 元旦」「○○年 1月1日」と書いてあります。それはいいの?と思われるでしょうが、手紙の最後に記載する日付は、書いた日(=差し出し日)を意味します。年賀状だけ、郵便局のサービスの流れで「到着日」になってしまいましたが、お礼状や案内状など普通の手紙では「差し出し日」ですので間違えないでくださいね。

なお、英語のHAPPY NEW YEARは、クリスマスカードに添えて書くこともあるようですので、日本語で言うところの「良いお年を」に近いニュアンスなのでしょう。