柘植 -Box wood-

柘植つげは低木の常緑樹で、印鑑(印章)の材料として呼ぶ場合は、日本産・外国産を含めてツゲ科の植物全般を指します。中国では「黄楊」と表記します。なお、モチノキ科のイヌツゲと区別するため「ホンツゲ」と呼ばれることもあります。

日本固有種は本州の東北南部から九州まで広く自生し、垣根や庭木としても好まれる樹木です。しかし現在、自生地は減っており、地域によっては絶滅危惧種に指定されています。

木の組織が非常に密に詰まっている材で、硬さと粘り腰を併せ持っている為、細かい彫刻をする印章には最適で、古くからよく使われている材料です。長年にわたり朱肉の油分を吸い過ぎると劣化してしまうということもありますが、普段から使用後の手入れをしっかりしていれば、十分に長く使い続けることができます。

柘植は太陽光に長期間当て続けると表面が日焼けして変色してしまうので、保管する際は不透明の印鑑ケースに入れることをおすすめします。

ハンコ以外にも、くしや将棋の駒、ソロバンとしてよく使われます。ただ、非常に成長の遅い木で、近年は手に入りづらくなってきています。代わりに、本来印鑑には不向きな軟らかい木材や間伐材を圧縮するなどして強度を上げ、印鑑用に加工した材料も開発されています。

なお、柘植など木質素材の印鑑は再加工すると割れやすいため、改刻(彫り直し)はできません。