亡くなった人のハンコをそのまま使う事について

ご自宅の引き出しや金庫の中にお父様やお母様が生前使っていて、出番の無くなった印鑑が1本や2本眠っているかも？
なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか？

ご両親の形見分けでいただいたハンコが、象牙などの高級な材質で作られたハンコだったりと、なかなか処分もできず、なんとか再利用できないかと相談されるお客様もいらっしゃいます。

故人のハンコをご自身の印鑑として、使うと縁起が悪いのでは？
との疑問を持たれる方もいらっしゃいますが、亡くなられた方の形見として受け継いでお使いになれば、故人もきっと喜んでくださるかと存じます。
もしそのハンコが、その方のご両親がその方を想って贈ったものであればなおさら、その想いを受け継ぐのもとても素敵なことです。

弊社のタイトルとして「はんこは親から子への贈り物」というものがあります。
新しいハンコを贈り物として作るのはもちろん、ご両親のハンコを受け継ぐこともまた「贈り物」と言っても過言では無いでしょう。

ただし、亡くなった方の印鑑を使う際には、いくつか注意点があります。

亡くなられた方の実印は2年くらいの保管がオススメです。
そのままで使うことの危険性
銀行印・認印として使う
ハンコの生まれ変わり
ハンコの無料診断いたします

亡くなられた方の実印は2年くらいの保管がオススメです。

これは、相続の際に税務調査がもし行われる事になった場合、税務調査の時期は相続が発生してから2年後になります。
その時に故人の実印が必要になるのです。税務署の方は故人の実印を確認されます。

このようなことから、私共では亡くなられた方の実印の保管は2年くらいをオススメしております。

しかしながら、私共に問い合わせされる多くのお客様は、亡くなられてから5年以上は、保管されていらっしゃるようです。

そのままで使うことの危険性

例えば生前お父様が実印として印鑑登録してあった印鑑（印章）を、息子さんがそのまま実印として印鑑登録しようとした場合、お二人の苗字（姓）が同じであり、なおかつ印鑑に彫られた文字が苗字だけであれば、印鑑登録は一応可能ではあります。

フルネームの場合は当然、同姓同名でなければ登録はできません。
苗字のみのハンコは登録こそ出来ますが、その印鑑がどのように使われていたのか把握できていない限りトラブルの元であり、大変危険ですので、そのままでの登録はおすすめしていません。

実印登録できる条件について、さらに詳しくお知りになりたいときは以下の特設ページをどうぞ

実印として登録できる条件の詳細

銀行印・認印として使う

銀行印として使う場合もお金に関係するハンコなので、実印同様注意が必要で、同じ印鑑をそのまま銀行へ登録することはおすすめしていません。

認印は、登録しないハンコだからと油断してしまうかもしれませんが、お父様の印鑑が何にどのように使っていたかが不明である限り、むやみにそのまま使用するのは危険であることに、変わりないでしょう。

ハンコの生まれ変わり

形見のハンコを使われる場合は、【ハンコのリフォーム】（専門用語で「改刻」といいます）をおすすめします。
改刻とは印面（文字が彫ってある面）を少し削ったりカットしたりして、綺麗に平らにしたところに新しく文字を彫る作業のことです。

【ハンコのリフォーム】で新しく生まれ変わった印鑑であれば安心して長く使うことが可能です。
注意点として、リフォームが可能な印鑑は決まっています。
例えば黒水牛や象牙、水晶等の貴石はリフォームが可能ですが、プラスチックや柘植、黒檀のような印材は作業の途中で割れてしまう可能性があるためリフォームには不適当です。
また他にも実印や銀行印としての登録が残っているもの、彫り込みの装飾があったり印材の全長が一般的なものと違ったりなど特殊な印材を使用しているものはリフォームが出来ない場合があります。

ハンコのリフォームについてもっと詳しく

ハンコの無料診断いたします

亡くなった方の印鑑や、もう使用していない思い出の印鑑、大切な方からお土産でいただいた印鑑等、なかなかご自身ではリフォームできるのか、できないかが判別できないと思います。
実際にリフォームできない程劣化が進んでいたり、黒水牛や象牙だと思っていた印鑑が実はプラスチックだったりというケースがよくあります。
リフォーム可能かどうかを判別できるのは難しく、それを見分けることができるのはやはり彫刻のプロ、匠の技を持つハンコ職人でないと判別不可能なのです。

でも、ご安心ください！
キタジでは判別できるハンコ職人が常駐しており、ハンコの診断を無料で受け付けております！